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民法が120年ぶりに大改正 主要ポイントを簡潔に紹介します

     

       

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今月26日の参議院本会議で債権法に関する改正民法が与野党の賛成多数で可決、成立しました。
民法制定以来120年ぶりになる債権部分の抜本的な改正で大きな注目を集めています。
法律に馴染みがない方には非常にわかりにくい民法ですが、普段の生活の上でも非常に重要なポイントが多数あるので出来るだけわかりやすくご紹介したいと思います。


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改正民法の主要ポイント

今回の改正民法は2020年度を目途に施行されます。
主なポイント
・ネット通販などあらゆる契約に使われる約款の規定を追加
・法定利率を年5%から3%に変更、変動制を導入
・連帯保証人は原則的に公証人による事前の意思確認を義務化
・債権消滅の事項は原則5年に統一
・賃貸住宅の敷金返還&原状回復義務を明記
・正常な判断能力がない人との契約は無効と明記

ネット取引などに使われる約款の規定を追加

大きな改正の一つがネット通販などあらゆる契約に使われる約款の規定が追加されたことです。
これだけだとわかりにくいですが、約款(やっかん)というのは、企業が不特定多数の消費者と同じ内容の契約を大量に結ぶ場合に、予め契約内容を書いた文章のことです。
多くの人は細かくいちいち読まないと思いますが、これが大きなトラブルを呼び起こすことがこれまでかなり多くありました。

しかし、この重要な約款についてはこれまで民法に規定がなくトラブルの相談が殺到して問題になっていました。
例えば、購入した商品に重大な欠陥があったとしても交換や返金には一切応じないという内容の約款があった場合、よく読んでいない消費者と企業の間でトラブルになることが多くありました。
当然この場合企業の言い分を認めたらとんでもないことになるので、これまでも公序良俗に反する不当な内容の場合は裁判で無効とされてきましたが、今回の改正で明確化されました。

今回の改正民法のポイント
・企業が約款を契約内容とすることを予め示した場合は、消費者が仮にそれを理解していなくても合意したとみなし契約は成立する
・ただし、契約が成立がしても消費者に一方的な不利益がある場合は無効になる

企業側は契約を成立させやすくなりますが、同時に一方的に消費者に不利益な契約は無効となるので、悪質業者の抑止力になることが期待されています。

もちろん、消費者側もこれで安心するのではなく約款はしっかり読み、疑問点があればしっかり質問することが重要です。
まともに答えない業者は悪質業者に間違いありません。


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債権消滅の時効は原則5年に統一

今回の改正民法では、未払金を請求できる期間が大きく変更されました。

現状と改正後では大きく異なります
現状は原則的に権利を行使できるときから10年で時効になります。
ただし、飲食代、ホテル代、レンタル料などは1年、弁護士などの報酬、授業料などは2年、診療費、工事費などは3年と職業によって10年より大幅に短い期間が定められていました。

しかし、職業ごとに期間が異なる合理的な理由がなくおかしいという指摘が多数出ていたことから今回の改正民法でシンプルに統一されました。

改正民法のポイント
・権利を行使できると知った時から5年
・権利を行使できる時から10年

この上記のいずれか早い方のタイミングで時効

という非常にシンプルな決まりになり、職業ごとの規定は廃止になります。
これで今までより未払い代金を回収しやすくなります。

連帯保証人は原則的に公証人による事前の意思確認を義務化

良くリアルでも小説やドラマでも、自分の知らないうちに(もしくはよく仕組みを理解しないうちに)連帯保証人にされてしまい、意図しない多額の借金を抱えてしまったという話を聞きますよね。

今回の改正民法で、中小企業への融資などで第三者が個人で連帯保証人になる場合は、原則として公証人が連帯保証人になることのリスクをしっかり説明したうえで、保証人の意思確認をすること、公正証書を作成することが義務化されます。
これでよくわからないままに連帯保証人になる、させられるというリスクはかなり下がることになります。

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正常な判断能力がない人との契約は無効と明記

今回の改正民法では、正常な判断能力がない人との契約は無効と明記されます。
そんなの当たり前だろと思う方が多数だと思いますが、これまでは民法に明記されていませんでした。

例えば、よくニュースで流れていますが悪質な証券会社などが認知症の人を相手にリスクの高い高額な投資商品を購入させて大損させるというケースが多発していました。
もちろんこの場合は裁判で争うことで解決することも出来ますが、泣き寝入りする人もこれまではかなり多かったのも事実です。
判例では定着していますが、今回の改正民法では正常な判断能力がない人との契約は無効と明記されることで悪質な勧誘への抑止力になるはずです。

賃貸住宅の敷金返還&原状回復義務を明記

個人的に一番注目しているのがこちらです。
これはかなり多くの人に影響がある改正だと思います。

賃貸住宅の退去時に敷金や原状回復などに関するトラブルが多発していることは多くの方がご存知だと思いますし、経験されたことがある方も多いのではないでしょうか?
今回の改正民法では、敷金についての規定が明確化されました。

今回の改正民法のポイント
・敷金は「賃料などの債務を担保する目的で、借主が家主に交付する金銭」と定義
・敷金は退去時に借主に返還義務
・未払いの家賃がある場合は家主は敷金を未払い家賃に充てることが可能
・物件の通常の使用内で生じた傷や経年劣化については借主は修繕費を払う義務はないことを明記(修繕費は家主が負担 この代金を敷金から差し引くことは禁止)
・借主が室内を傷つけた場合は原状回復義務があることを明記

上記のように改正されることで、例えば家主が借主の過失がないのに、修繕費と称して不当にお金を請求したり、敷金から差し引くことが明確に禁止されます。
これまで敷金というのはかなり曖昧な位置づけでしたが、上記のように明文化されました。
これまで多かった退去時のトラブルはかなり減り、悪質な不動産業者は減ると思われます。

しかし、法律をしっかり知らないとせっかく民法が改正されても意味がありません。
知識がなければ悪質業者の言うがままにされてしまい、本来負担しなくていいお金を払う羽目になるからです。
しっかり今回の改正民法の内容を頭に入れて悪質な業者に対抗できる法的知識を身に着けておくことが重要です。

その他では、購入した商品に欠陥がある場合の補償についても規定が変わりました。
従来は商品に欠陥がある場合は契約解除か損害賠償を求めるかに限られていましたが、今回の改正民法では修理、代替品の引き渡しの請求、代金減額請求も可能になります。
また、消費者側は売主の責任を追及する場合欠陥があると知った時から1年以内に売主に通知する必要があります。

民法は生活に密着した法律でもあるので、興味がある方は簡単な入門書で概要だけでも把握すると非常に役立つと思います。
法律を勉強したことがない方にも非常にわかりやすい1冊をご紹介します
伊藤真の民法入門 第5版


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